毎年、夏から秋にかけて発生し、大変な被害をもたらしてくれるのが台風です。
そこで、この台風について、少し詳しくお話ししてゆきたいと思います。

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台風はどのようにできるのか?

 
台風は熱帯海域で発生するのがふつうです。
太陽の熱で海温が上昇し、その上の空気も暖められて上昇します。
すると当然、そこは低気圧になってゆきます。
しかもこの暖かい空気は水分を多量に含んでいますから、上空で空気が冷やされると、水分を含むことができなくなり、大きな雲、積乱雲になります。
さて、ここで凝固熱というものが関わってきます。
気化熱と凝固熱はちょうど相反する関係にあります。
液体が気化するときに、熱が奪われ冷却されます。
この失われる熱が気化熱であり、冷蔵庫などの原理となっているのですが、この逆に、気体が液体になるときに熱が放出されるのです。
これが凝固熱であり、気化熱と凝固熱は数値的に同じというのがキルヒホッフの法則です。
まあ、法則はともかく、上空で暖かい空気が雲として液体に変化するとき、周りに凝固熱が放出され、空気が暖められてますます高く上昇気流が生じるのです。
地上では極端な低気圧が生じ、周りの空気が寄せ集められ、暖められた空気の上昇気流とともに上昇します。またその海域ではますます低気圧となっていく状態になるのです。
このような極端な低気圧ととてつもない上昇気流により、北半球では反時計回りに回転しながら空気が低気圧の中心に流れ込みます。これが台風なのです。
つまり、台風もいくつかの要因が重なって生じるものなのですね。

台風の名前は誰がつけるのか

 もともと台風というのは、中国語の台風(タイフォン)ですが、これは台湾から来る大きな風ということです。
確かに、台風の発生場所は、中国大陸から見れば台湾方面です。
するとこの台風というのは、主に東南アジアで発生する台風なのですが、アメリカでは主にカリブ海あたりで発生するのがハリケーンです。インド洋あたりではサイクロンと、台風の呼び名も場所によって違うのですね。
ハリケーンには女性の名前が付けられることは、皆さんもよくご存じとは思いますが、台風は、日本では、台風16号などのように、数字で表します。
このような数字で表された台風は、日本の気象庁が、その年の台風の発生順に数字を割り当てています。
しかし実は台風にも名前が付けられているのです。
台風の影響を受けている東南アジア、東アジアの国々で台風委員会なるものを結成し、台風の名前を「決めている」のです。
実際には決めているというより、140個の名前を各国々に割り当て、各国々が分担しています。
それらの国々が、自分に割り当てられた台風の名前を提案し登録しているのです。
ちなみに、日本では星座の名前を登録したそうで、たとえばてんびん座からとって、「Tembin(てんびん)」などという名前の台風になったりするわけです。
 
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何故日本は台風が多いのか

 この台風はミクロネシアなどの熱帯海域で発生するのですが、これが周りの空気を吸い込みつつ、貿易風などにのって徐々に西北に移動し、さらにそこから偏西風に乗って北東へと台風が移動してゆくのです。
おのずと日本が通り道となり、日本には台風被害が多くなります。
とくに沖縄は、台風被害がもっともひどい地域です。
とはいえ、これまででもっとも台風被害の大きい国はフィリピンです。
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台風の勢力について

風速と被害

台風は風速17m以上のものを言いますが、大きな台風ではやはり風速30m以上です。風速30mといえば、立っていられないほどの風なのですが、それよりも家屋の一部が破壊されたり木々がおれたりして、それらの瓦礫などが空を舞って、ぶつかってくるのが大変危険です。
しかし、日本では厳密には未経験ですが、フィリピンなどではスーパー台風というのがあります。
超巨大な台風で、風速70m以上のものがスーパー台風なのですが、フィリピンでは風速90mを体験しているのです。
このようなスーパー台風では、立っていられないどころではありません。外にいること事態大変危険です。竜巻の中心にいるようなもので、自動車ですら風で持ち上がり宙を舞ってぶつかってくるほどです。危険な瓦礫が勢いよく飛び回り、多分、あっという間にぶつかっておしまいでしょう。
また風速70m以上では、高潮が生じ、津波そのものです。海に近づくだけで危険です。
また家屋の中にいても危険です。窓ガラスが割れ、中の大きな家具類ですら室内で宙を舞って外に吹き飛ばされますので、人間まで一緒に外に吹き飛ばされる可能性もあります。
そうなりゃ人間だって、上昇気流に乗って、あの世行きです。

台風の対策

 万一スーパー台風に遭遇したら、地下街に避難したり、丈夫なビルに避難して、窓に近づかないことです。
あるいは自宅なら一番中心の安全な場所、たとえば浴室のバスタブの中などに隠れるしかありません。
自宅の窓ガラスには、補強シートを張っておくなどもよいでしょう。
このようなスーパー台風も日本、しかも関東にも来る可能性があるのだとささやかれています。
そのときは、天のご加護を祈っています。
 
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